自作キーボードの静音のポイント(多分あってると思う)
音を静かにするということは、以下の2要素を追求するということだと思う。
- 音そのものを出さないこと
- 音を響かせないこと
前者は、物と物を接触させるときの衝撃を和らげるほど良い。すなわち、自作キーボードにおいてはルブをすれば良い。ルブをすればするほど音は出なくなる。しかしゼロにはできない。
後者はさらに2つの要素に分類できると思う。
- 音が響かないようにする
- 響いた音が他に伝わらないようにする
前者は、キーボードの構造により良くなったり悪くなったりする。雑に言ってしまえば、振動しない固くて重い物にキースイッチをなるべく強力に固定することで改善する。
後者は、キーボードと設置している部分、つまりテーブルとキーボードの設置面をなるべく小さくすることで改善する。もしくは、すごく柔らかいものを敷けば改善する。
また、バネがあることで振動を伝わらなくすることも可能だが、これは結構難しくて、バネのせいで振動が強くなることもある。よく考えないといけない諸刃の剣になると思う。
静音の理論
- 重くて固いものは振動しにくい
- 振動しにくいものに振動しているものを強力に固定すると、振動しているものがあまり振動しなくなる。振動しにくいものがすごく重いと、振動しているものは振動しなくなる
- 柔らかいものは振動を伝えにくい
- 接地面が大きいと振動は多く伝わる
- バネは振動を伝えなくしたり伝えたりする
比較的安価に静音を目指している自作キーボード(ステマ)
拙作のDombrickシリーズは、比較的重いステンレスのボトムプレートを採用しているのでそんなに音が響かないと感じる。
Dombrick45(第一作目)
Dvorak配列ユーザのための45%自作キーボードDombrick45を作りました(現在の進捗:Ver.1完成→Ver.2検討中)
Dombrick60D(第二作目)
完全に自分のためだけの60%キーボード Dombrick60D 作りました
キースイッチの静音化
キースイッチの音は多分こんな感じに分解される
こすれる音
- スプリングがこすれる音
- ステムがこすれる音
ぶつかる音
- キーを押したとき:ステムがボトムハウジングに縦にぶつかる音
- キーを押したとき:ステムがトップハウジングに横にぶつかる音
- キーを押したとき:トップハウジングとボトムハウジングがぶつかる音
- キーを離したとき:ステムがトップハウジングに縦にぶつかる音
- キーを離したとき;ステムがトップハウジングに横にぶつかる音
キースイッチ静音化1.なるべく上記音の少ない静音キースイッチを探す
超高級キースイッチを除き現状手に入りやすい静音キースイッチを色々試した結果、以下の3つが良いと思いました。上に行けば行くほど良いけど、値段も高い。
- Orange Healios……何もしなくてもかなり静か。手に入りやすいキースイッチの中ではかなり高価な部類。50個で6500円くらいだったと思う。
- Gateron Ink Silent Black……ルブするとすごく静かになる。高価だけどOrangeよりは安い。50個で4500円くらい。
- Gateron Silent Red……ルブすると静かになる。安い。50個で2200円くらい。
あとキメラスイッチとか色々沼があるみたいですがそこまでやると時間足りないので手を出していません。
静音キースイッチには、ぶつかる音を少なくするようにシリコンゴムみたいなのが部品のぶつかる箇所に付いています。静音でないキースイッチに自分でこのシリコンゴムみたいなのを後付するのは職人技なので(Chocスイッチでやったことある)、静音を求める場合には静音キースイッチを買った方が絶対にいい。というかChocの静音キースイッチが発売されるのはいつでしょうか。
静音キースイッチのおかげで、ぶつかる音1と4がかなり改善されます。
キースイッチ静音化2.ルブをする
まず、高井さんのウェブサイトに記載されている内容に倣う。
これで、こすれる音1と2がほぼ無くなり、ぶつかる音1と4がさらに改善されると思う。
しかし、ルブするためにキースイッチを開けるとぶつかる音3が新たに発生することがある。また、キースイッチ内部へのルブだけではキーに指をおいた時にステムがトップハウジングに横にぶつかる音が消えない。
ぶつかる音2と5は、ステムとトップハウジングの間に隙間があるために発生する。なので、その隙間をルブすれば改善する。ステムをつまんで左右に動かした時にカチャカチャ音がするので、それを防ぐようにルブする。グリスの量が多ければ多いほど音は減るが、多すぎても良くないと思うのでそれなりに塗るといいと思う。
ルブしたらどれくらい音が改善したかを確認し、満足する。
キースイッチの静音化3.謎の音を消し去る
ルブしたのにうるさくなった、ということがある。残念ながら、それはぶつかる音3が新たに発生したということです。
ぶつかる音3は、キースイッチを閉じてもきちんと閉じないときに発生する。スイッチが閉じないので隙間ができる=キースイッチを押した時に隙間が閉じて音が鳴る、ということ。これを改善するためには、隙間が閉じないようにする、もしくは隙間を閉じる必要があります。
この音が発生したとき、僕はかなり絶望を覚えました。とりあえず、僕は隙間が閉じないようにしました。具体的には、隙間にUV硬化レジンを流し込んで、固めました。すると隙間の間にレジンが入って、隙間が閉じて音が発生することはなくなります。しかし、レジンがくっついているので次にキースイッチを開けるのが大変になるんじゃないかと思います。
キーボードの静音化
(記事作成中)
雑ですが、なるべく重い物をキーボードの骨組みに使うのが良いと思います。
そして、机とキーボードの接地面はなるべく小さくし、なるべく固い素材、もしくはすごく柔らかい素材を使うといいと思います。
また、キーを押したときの上下方向の振動をなるべく机に伝えないように、逆にキーボード本体を上下に振動させて、その振動が伝わらないような点()とテーブルを接地させると良いのかも知れません。
組立時の静音化
(記事作成中)
自作キーボードを組み立てる際にも気をつけるべき点はたくさんあるようだ。
PCBマウントの場合、キースイッチをPCBに良く差し込みつつはんだ付けする
プレートマウントの場合は気にする必要はない。
PCBマウントの場合、キースイッチがPCBにのっている。もしキースイッチとPCBの間に隙間があって、キーを押すたびにカスタネットのように音を出していると、とても悲しい。