t-miyajima blog

直したり、作ったりが好きです。

昔、リアルアーケードPro(初代)を修理した話

こんばんは、最近また仕事を辞めました、t-miyajimaです。

さて、様々なことにやる気が出ない私ですが、昔からやろうやろうと思いながら全く手を付けていなかった、リアルアーケードPro(初代)の修理の記事を書こうと思います。

お金はないけど時間はある人向けの記事です。お金があれば新品を購入したほうがいいです。

ちなみに、リアルアーケードPro(初代)を修理したのは2007年のことですので、今となっては本記事の情報は役に立たないかもです。

さらにちなみに、修理と言っても連射機能を捨てて、コントローラー乗っ取りで使えるようにしただけですので、修理ではないかもです。

目次

 

 

 

1.お金がないなら修理すればいいじゃない、という思いつき

学生時代って、あんまりお金もってないですよね。

それでもアーケードコントローラーで格闘ゲームやりたくなったりしますよね。

ただ、リアルアーケードPro(初代)って、2007年時点で、たしか1万円くらいしたんですよね。

2007年当時、1万円の物を買うのはそれなりにむずかった。

なので、ジャンクのリアルアーケードProを購入して、直せばいいんじゃね? って思ったわけですよ、若かりし頃の僕は。

ということで、確かヤフオクで、確か4000円だかでジャンクのリアルアーケードPro(初代)を購入しました。←何も記録が残っていないので金額は完全に推測

変換アダプタ経由でパソコンにつないでみると、見事に認識せず。基板が壊れています。

きちんとジャンクだと分かったので、修理を始めましょう。

 

以下、リアルアーケードProをRAPと表現します。

 

2.RAPを分解して配線を調べる

何事の修理も分解してみなければ始まらないということで、RAPを分解。

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ネジを数カ所外せば天板が取れて中が見られるようになっています。

左上の連射キーのところから配線が伸びていますね。

ということは、左上にコントローラー基板があるわけです。

分解のため、キースイッチ・レバーの部品につながっている配線を取ります。

 

★この時、どの配線がどのスイッチに繋がっていたか、きちんとメモしています。

 

ネジを外したりして、基板を取り出します。

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基板を良く見てみます。

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全くわからん。

ぱっと見で焦げてたりするとなんかわかるかもですが、どこも壊れている気配がない。

このまま直すのは難しそう。

 

ということで、RAPの基板を修理するという選択肢は消え去り、コントローラー乗っ取りの方法で修理するしかないと確定しました。

コントローラー乗っ取りというのは、きちんと動くプレステのコントローラーの基板でRAPの基板を置き換える、ということです。

 

 

 

3.必要な部品の下調べ

基板が直せないと分かったので、必要なのは以下の部品です。

  • 元気に動くプレステのコントローラー
  • プレステのコントローラーとスイッチとを繋ぐ配線
  • レバー・スイッチに配線を繋ぐための端子

あと、それらを繋げたり包んだりするために、多分以下のような道具が必要です。

  • ハンダゴテとハンダ
  • なんか絶縁するテープとか
  • ニッパーとか

道具は詳細説明しません。

 

3−1.元気に動くプレステのコントローラー

条件としては、外面は汚くてもOK、アケコン用なのでアナログスティックは不要、きちんと動作するだけで良し。

その条件に当てはまるなるべく安いコントローラーを、ヤフオクだったかハードオフだったか忘れましたが、確か500円〜300円程度で仕入れたような気がします。100円だったかも。忘れた。

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確かプラスドライバーだけで分解できました。

 

3−2.プレステのコントローラーとスイッチとを繋ぐ配線

ジャンクRAPの基板を見ると、配線が25本ありました。

内訳は以下です。

  • レバーに5本
  • スイッチ1つに2本 スイッチは10個(△○□✗、L1L2R1R2、スタート、セレクト)あるので20本

補足:基本的に、電気はプラスからマイナスに流れます。

それぞれのスイッチにはプラスとマイナスが配線されています。

レバーは上下左右の4キー分のプラス4つ、4つに共通のマイナス1つで、5本です。

 

以上より、配線というか電線が少なくとも25本は必要だと分かりました。

 

3−3.レバー・スイッチに配線を繋ぐための端子

RAPのスイッチと配線は、なんちゃら端子でつながっています。

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ギボシ端子だったような気もします。

これがスイッチ1個につき2個、スイッチは10個あるので20個必要です。

 

また、レバーと配線を繋ぐのは別の端子が使われています。

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これはパソコンにもよく使われていた形の端子です。

レバーからは5ピン出ているので、5ピン分の端子が必要になりますね。

 

4.安い部材を仕入れるための秋葉原探索

お金が無いのでRAPを修理しようと決めたので、部材に高いお金は支払えません。

ウェブで部材の情報を検索しつつ、大宮まで定期券を持っていた僕は秋葉原へ遠征することにしました。

確か往復で900円くらいだった気がします。今調べたら960円でした。

 

スイッチに使うギボシ端子的なものは、ラジオセンターでバラ売りしているのを購入しました。確か1個5円くらいで、20個で100円くらいだった気がします。1個10円だったかも。それでも200円。これ↓

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レバーにつなぐ5ピンの端子も、たしかラジオセンターで買った気がします。

ケーブル付きで、いくらだったかは完全に忘れました。↓よく見ると1394と書いてあるので、IEEE1394に接続する用のパーツらしいことが分かります。

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25本の配線は、配線屋さんで……ということはしませんでした。

なぜなら配線が高かったのと、25本もあると色分けが大変だ、というのが理由です。

そこで、25芯のプリンタケーブルを購入し、ぶった切って、配線として使うことにしました。

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カモンというメーカーの232MF−15という型番のケーブルです。いわゆるD-SUB25のシリアルケーブルです。ストレート結線。

1.5メートルもの長さの25本の色分けされた細い電線が詰まっています。

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あと、

100円ショップにてハンダと電気配線ニッパーを仕入れ、

ヤフオクで100円のハンダゴテを仕入れ、

それ以外のものも適当に仕入れました(記憶に無い)。

 

5.配線計画

25本も配線があると、何をどこに繋ぐのかをきちんと決めておかないと、混乱してしまいます。

あらかじめ、RAPのボタン・レバーに番号を付け、色分けされた電線の色を明確にし、どれを繋ぐかをこのように決めました。

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6.電線とコントローラー基板のはんだ付け

まず、カモンのケーブルをぶった切って、中の電線を取り出し、先端の被膜を剥きます。

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この頃は専用工具なんて持っていなかったので、必死に爪切りで剥いています。

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電線が剥けたら、それをキーボード基板にはんだ付けしていきます。

本来なら基板のレジストをマイナスドライバーか何かを使って剥がして銅箔をあらわにして、そこに電線をはんだ付けするという流れなのですが……

なんとプレステのキーボード基板には、基板の動作確認用なのか知りませんが、銅箔があらわになっている箇所が全てのスイッチにあるのです。見にくいですが、丸い銅の部分がそれです。↓

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はんだ付けが完了しました。

このままだと扱いに困るので、ラップしてプチプチで包んでタイバンドで固定しました。

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7.電線とスイッチ用端子のカシメ

ぶった切った25芯のケーブルの片割れを分解していきます。

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ケーブルが電線に分解できたら、先端をまた爪切りで頑張って剥いて、端子をカシメていきます。

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そういえばカバーもきちんと付けてますね。

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今思い出しましたが、ギボシ端子の絶縁用カバーもラジオセンターで買っています。これもそれほど高くなかったはず。

以上で、基板とケーブルと端子が繋がりました。↓基板側、端子側のD-SUB25コネクタはそれぞれオスメス違うので接続が可能です。

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8.動作確認

コントローラー基板から伸びているプレステコントローラーコネクタをアダプタ経由でPCに接続し、D-SUB25のオスメスを接続します。

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アケコンのスイッチを1つ取り外し、そこに対応するギボシ端子をつなぎ、動作確認を行いました。

9.レバーの結線

レバーの5本の配線もきちんと接続します。

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こちらもスイッチと同じようにあらかじめ配線を確認し、結線後に動作確認を行いました。

 

10.そして修理完了……

ここから先は写真がありませんが、

あとはRAPのスイッチ・レバーに端子を繋ぎ、

今回作ったコントローラー基板をRAPの中に格納して、

コントローラーコネクタをどうにかして外に出せば修理完了です。

 

修理の評価とコントローラーのその後

修理を評価する上で重要なポイントはかかった費用です。

たしか、5000円〜6000円だったと思います。

ただ、仕入れた道具を全て算入すると、8000円くらいだった気がします。

もっと修理しないと元が取れないということですね。

 

その後、修理して使えるようになったRAPは友人に譲ったので、2021年時点では手元にありません。

 

そして僕は、RAPを修理するだけでは飽き足らず、1から自分で作ってしまおうと画策することになります。

しかし、自作のアーケードコントローラーを作るのにまさか7年もかかることになろうとは、その時の僕は夢にも思わなかったのですが。