t-miyajima blog

直したり、作ったりが好きです。

昔、リアルアーケードProのようなアケコンを自作した話

こんにちは、t-miyajimaです。

前回の記事に引き続き、アーケードコントローラーについてです。

前回は修理した話でしたが、今回は完全に自作した話です。

ただし、着手から完成までに7年もかけています笑

完成まで時間がかかった原因は、リアルアーケードProを購入するよりも安くなきゃ意味がない、ということで材料調達が難儀したためです。

 

目次

 

 

 

1.自作アケコンの要件

前回のリアルアーケードPro(初代 以下RAP)の修理で感じた不満点は、RAPのボタン配列が実際のアーケードコントローラーと異なるのが嫌だな、というところでした。

また、RAPに使われているボタンスイッチが、三和やセイミツのものではなく、HORIオリジナルのスイッチというのも気になるところでした。

そこで、今回の自作アケコンの要件は、以下のように決まりました。

  1. ボタンとレバーをアーケード筐体と同じものにする
  2. ボタン配列をアーケード筐体と同じようにする
  3. 市販のリアルアーケードPro よりも安く作る!

決まったらあとは作るだけなのですが、3番目の要件が案外厳しく、苦戦することになります。

まず、ボタンとレバーは、確かヤフオクで購入しました。3000円しなかったような記憶がありますが、定かではありません。

2.基板を調達する(修理と同じ)

これは簡単ですね。

前回の修理で得た知識を元に、元気に動くプレステの中古コントローラー、カモンのケーブル、ギボシ端子等を調達し、組み立てます。

この時、カモンのケーブルを1種類買い足しました。オスメスではなく、オスオスのケーブルです。312円(今思えば激安)。ちなみに、いまもあるお店、コンピュエースで買いました。

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※すごい、まだ買えます。↓

www.compuace.jp

オスオスのケーブルを追加した理由は、基板を交換することで様々なゲームハードに対応できるような仕組みにしよう、と思ったからです。

つまり、メスの方にアケコンのボタンとレバーを繋ぎ、オスの方に基板を繋ぐことで、

オスの基板を変更できるようにしたかった、ということです。

ただ、2021年となった今でもプレステ以外の基板のオスを作っていないため、基板の交換は実現できていません。

 

3.天板を作る

大学生が安く天板を作るとなると、スチール天板は選べません。

スチールにきれいに穴をあけるというだけで、やばいくらいの手間がかかります。知り合いに板金屋さんがいれば穴あけを安くできたかもしれませんが……。

また、2021年の今となっては、ステンレスに穴をあけて発送してもらえるサービスがありますので、そちらを使ってもいいのかもしれませんが、それでもアケコンサイズの天板となると大分費用がかかるのではないでしょうか。

 

そこで僕が選んだ素材は、MDF合板でした。

 

MDF合板ならホームセンターで安く手に入りますし、穴を開けるのも彫刻刀を使えば簡単にできます。通常のベニヤや木材に比べると加工しやすいです。

もちろんデメリットもあります。水に濡れるとダンボールみたいにぼろぼろになってしまうので、なるべく水に濡れないようにしないといけません。

 

さて、ホームセンターで天板を購入してきました。サイズは多分、30cmx45cmだったと思います。剛性を確保するため、厚みは確か5mmにしました。

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天板のレイアウトを等倍で作成し、紙に印刷します。ボタンの配列は実際のアーケード筐体を写真撮影したものや、ウェブに落ちていたボタン配列の画像を参考にして作成しました。

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ボタンの中央、レバーの棒の中央に印を付けて、コンパスでMDF合板に円を書きます。

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この部分を、穴あけドリルと彫刻刀とリューター(リューターが5000円くらいしたので既に赤字では???)で整えていきます。

すみません、整えている時の写真はありません。家の裏で必死こいて穴を開けていたのだけは記憶にあります。

MDF合板の厚みが5mmのせいで、単純に穴を開けただけではスイッチが保持できません。そのため、スイッチの爪を引っ掛けるための凹みも作っています。確か3mmほど彫った気がします。

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スチール天板にしておけば、こんな凹みをつける必要はありませんでした。大変でした。

(この時点で本記事を読んでくださっている皆様は、自作するのはコスパ悪いね、と思い始めていると思います)

レバーを固定するためのネジ穴も開けます。ただし、天板の表面はフラットにしたいので、皿小ネジを用い、天板に凹みを付けて、ネジが飛び出ないように工夫します。

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※ネジ穴の位置、一度間違えました。また、凹みが失敗したので皿小ネジアダプタ的な金具も使っています。

こうして天板が完成しました。

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さて、次はケースを作ります。

7年間作れなかったんですが笑

 

4.ケースを作る

さて、ケースを作ろうと思いました。

安くて丈夫で手軽に手に入るケースを探しました。

 

秋葉原で買えるアルミのケースを見ました。高い。小さい。穴を開けにくい。

ホームセンターでプラスチックの容器を見ました。丁度いいサイズがない。なんかちゃちい。

ウェブでも色々探しました。いっそのことRAPのジャンクケースではどうかと考えました。高い。

 

そうこうしている内にアケコンなくても良いかなと思ったりなんかしちゃったりして、

いつのまにか2014年になっていました。

7年も経っていた……!

 

いつまでも未完成だと良くないと思い、久しぶりにケースを探しにホームセンターに出向いたところ、なんと、丁度いい物が見つかりました……!

今ウェブで検索しても出てこないんだけど、これはなんという製品だったのだろうか……。

とにもかくにも、すごく丁度いいケースがカインズホームだかコメリだかで見つかったので、それをケースにして天板を整えました!

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内側はこんな感じになっています。重くするためにケースの中に安い金属板を貼り付けたり、ケースの底にゴム足を付けたりもしています。

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今回の配線ではレバーが8端子必要なのですが、配線を増やすためにカモンのケーブルが使えなくなるのは嫌だったので、レバーのための配線5本のうちマイナスに使うものを途中で4本に分岐させています。

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また、穴を掘るのが途中で辛くなったので、ボタンは8キーではなく6キーしかありません。

 

5.完成、そして評価

2014年に完成させたアーケードコントローラーは、2021年時点でも手元にあります。ただし、完成させてから1回も使っていません笑

さて、かかった費用(記録が無いので全て推測)ですが、

  • ボタンとレバー:3000円
  • MDF合板:700円
  • ケース(重りとゴム足含む):1500円
  • コントローラー基板と端子とケーブル:1200円

おっ! RAP買うより安いじゃん! と思いますが、リューターを買ったり、7年もかかったり、様々な手間があったり、そもそも一回も使ってなかったりと、元は全然取れていない気がします。

 

アーケードコントローラーの修理・自作に着手してからもうすぐ15年が経とうとしています。

今ではRAPもバージョンが5になり、このモデルは反応速度が早いとか、ハイレベルなことになっていますので、今回のコントローラー乗っ取りで作るアーケードコントローラー記事には需要はあんまり無いのかもしれません。

でも、こんなこともあったなぁという懐かしい思いを胸に、書かせていただきました。

 

ちなみに、アーケードコントローラー修理の際に購入した100円のピストル型ハンダゴテ(簡易テスターにもなるよ!)は、2021年現在も最前線で活躍する現役です。↓この子

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なるべく安い物をと思い、送料のほうが高かったハンダゴテ。

コントローラーより、このハンダゴテの方がはるかに役に立っていますね!笑