こんにちは、工房が寒いので薪ストーブがないと生きていけません、t-miyajimaです。
この投稿は、2025年のキーボードアドベントカレンダー#2の10日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/11774
前の記事は、ymknさんの『STM32直接実装で自作キーボード基板を作った話』でした。
ウヒョー! STM32F072CBU6ですか! いいですねぇ、素晴らしい……水晶いらないし部品点数少なくて済むので、とても便利なのですよね、STM32F072。
私もSTM32勢なので、STM32を用いたキーボードが増えると嬉しいです!!!!!!
次の記事は、qramoさんの『TOTEM作ったので書きます』です!
さて、タイトルに『手作り工房』って書くと、工房が手作りなんだか、手作りのものを作っている工房なんだか、よくわからないですね。
もちろん、手作りの工房で手作りのキーボードを作ります!!!!!!(両方かい!w)
さて、せっかくなら読んでくれる人が面白いと感じてくれる記事を書こうと思い、当初予定していた工房での話ではなく、新作キーボード『Puszle《パズル》』の話にします。
目次

概要
Puszleは、t-miyajimaが作って販売する、完成品の自作キーボードです。
USBケーブルを除く、全ての部品が搭載済みです。
家に持ち帰ってそのまま使うことが可能です。
キー数が少ないので、数字やファンクションキーはレイヤーキーを操作して入力することになります。
Vialに対応しておりますので、キーマップを書き換えることで、自分好みのキー入力ができます。
また、ライフタイムサポートを宣言します。これは、故障しても必ず直すぞ! という作者の意思表示であり、このキーボードを永く使ってくださる方を応援したい想いを込めています。

Puszle《パズル》という名称について(なんで数字がないのかな?)
自作キーボードって、名前の後にキー数や割合が付いていることが多いですよね。
私の過去作であるDobrock69やChavdai40%も、その命名規則に従ってキー数や割合を名前の後ろに付加していました。
今回のPuszleでは、付加していません。
……本当に?
正しい英語の綴りでは、パズルは”puzzle”と書きます。
でも、私の新作では”Puszle”と書きます。
1箇所、ゼットz が エスz になっています。
これには理由があります。
Puszleのキー数は52です。
この数字を、7セグ風に書くとこうなります。

……もうお分かりでしょうか?
SとZを、7セグ風に書くとこうなります。(Zについてはちょっと無理やりかもですが)

つまり、キーボードの名称であるPuszleの中に、52という数字が隠れています。
なので、52という数字を名称の後ろに付けていないのです!!!!!!
その他、Puszleという名前に込めた想い
- 私の作るキーボードの中では最も上位に位置する! Primeだ! 的な意味を込めて、頭文字はPにしました。Ponshu70もPrimeの意味でPです。
- 自作キーボードって、パズルみたいな印象を持ちませんか?(何) 自分のキーボードには何かが足りない、何かが違う、と悩みながら欠けたピースを探し求めて色々な自作キーボードに触れる長い旅路……。私のPuszleというキーボードで、あなたの欠けたピースを埋めませんか?(何度読み返しても臭いセリフだなぁ笑)
- 新作のキーボードを作っているうちに、なんだかパズルみたいだなと思ったりもしました。さまざまなピースを自作し、それらを組み合わせて1つのPuszleを完成させる……。ああ、この文章も臭いセリフだなぁ笑
Puszleロゴはまだできておりません!!!!!!
頑張ってszが52にも見えるようなデザインにしないとですね!!!!!!
配列のご紹介
※便宜的に、Puszleで採用している配列をパズル配列と呼びます。
パズル配列は、私が2020年に作ったDobrock69というキーボードの配列が元になっています。Dobrock69の配列は、一般的な40%キーボードの配列を真ん中で半分に分けて、最下段の下にもう一行追加し、左右に色々追加したオリジナルの配列です。

Dobrock69の配列は、自分で作っておきながら大変満足しております。Excelの操作がしやすいし、左右対称っぽくしたのでバランスが取れているし、何よりショートカットキーが大変便利です。
ただ、ぱっと見、ダサイんですよね。。。ゴテゴテしてる感じ。。。
そこで、もっとコンパクトで可愛らしい配列はないかなと思い、2021年に現在のパズル配列の原型となった配列をKLEで作りました。

この配列の特徴を列挙してみます。
- 親指エンターキー
- ロウスタッガード
- 分割一体型(エルゴノミクス系?)
- 両手スペースキー
- 両手エンターキー
- 扇型配列
- 左右対称的
- 50%キーボード?
- 数字なし、ファンクションキーなし
- ショートカットキーあり
- なんか可愛い気がする!
この中で特にご紹介したいのは『左右対称的』な点です。
ご紹介したいも何も、みていただくとわかると思いますが、左右対称じゃないけれど、左右対称にしました!!!!!!
可愛い!!!!!!(親バカ)
可愛いいいいいいいい!!!!!!(親バカ)
左右対称じゃねええええええええ!!!!!!!(左右対称だって言ってるだろ!!!!!!!!)
あと扇型! 奥義型じゃないですよ!
奥義型にすると、これまた可愛い!!!!!!
小指のキーがいい感じにずれながら揃うのが可愛い!!!!!!!
プレートに穴を開けるのは辛いですけどね!!!!!!
手作り箇所のご紹介
手作り箇所ってなんじゃい、って感じですね。
自作キーボードって全部手作りじゃないんかい、って感じですよね。
ごめんなさい、ここでの手作りの意味は以下とします。
材料を入手し、自分で加工していること
この意味で、私がPuszleで手作りしている箇所は、以下の通りです。
- 金属プレート
- ケース
- 配線
逆に、手作りしていない箇所は以下です。(まだまだ多いね……)
- 基板(JLCPCB)
- キースイッチ(Amazon)
- キーキャップ(Yuzu+Amazon)
- 基板に実装した電子部品(LCSC)
- USB-Cポート(LCSC)
- 配線の信号線そのもの(日立金属)
- 配線のコネクタ(JST)
- スイッチソケットとダイオード(LCSC)
- 金属プレートの材料:真鍮板(e-metals)
- 真鍮ネジ(八幡ネジ)
- ハンダ(Goot)
金属プレートの手作りについて
加工方法の詳細をここに書くのは伏せますが、金属板に四角い穴を開けることで、キーボードのプレートとして使えるように加工しています。
穴のサイズは自作キーボーダーならご存知の通り14.0mmです。
でも、プレートを手作りして何が利点なんじゃい、って感じですよね。
CADデータ作ってレーザーカットしてもらう方が絶対に綺麗に仕上がります。
私のやり方だとちょっとずれます!!!!!!

ケースの手作りについて
木材を彫っています。
最初、キーボードのプレートがはまる穴を、全部手彫りでやってみました。
死ぬかと思いました。
なので、現在、ルーターを補助具として用いて穴を開けてみています。
ルーター、めっちゃ早いです。
でも、力が強すぎるので、気を抜くと彫りたくない箇所が彫れていたりします。
ルーター、めっちゃ怖いです。

配線の手作りについて
一般的な基板内配線ではなく、俗に言う手配線で配線を作っています。
左右それぞれは、1.2mmの銅線をはんだ付け。
左右は信号線をコネクタで接続。
USB端子とメイン基板の間も、信号線をコネクタで接続。

なんで手作りなの???
なんででしょうね??????
修理しやすさのご紹介
キーボードって、どこが壊れるんでしょう?
- キースイッチ
- 基板の配線
- 基板に実装された部品
- ケース
- USB端子
このいずれかだと思います。……このいずれかですよね?(忘れてる箇所があったりして)
Puszleはモジュール式であり、すべての部品が独立して交換可能なので、いずれかが故障したとしても修理が可能です。
ライフタイムサポートのご紹介
キーケット2026のサークル紹介のところにも記載しましたが、Puszleは私が作って販売するキーボードでは初めて、ライフタイムサポートを提供します。
これ、自作キーボード界隈では恐らく史上初、というかキーボード界隈でも史上初と思われます。自分でもことの重大さに戦慄を覚えてます笑
で、ライフタイムサポートって、何? (以下、キーケットの説明から引用)
- サポートにはユーザー登録をお願いいたします
- 継続的サポートご提供のため物理的な破損対応は有償です
- どのような修理やカスタマイズも承ります
- キースイッチやキーキャップの交換も承ります
- 購入後の導入時サポートは無償で承ります
- その他詳細は購入時にご説明いたします
まとめると、
Puszleを購入いただいたお客様の要望は全面的にサポートします、
継続してサポートを続けるために有償のこともございます、
です。
ユーザー登録しないといけませんか?
これは難しい問題です。
なので、ちょっとゆっくり説明させてください。
ユーザー登録ですが、Puszleをご購入いただき、日常のお仕事等でご使用されている間は、実質必要ありませんよね。
だって、キーボードの調子はいいし、キーマップはVialで気軽に変更できるし、Macが起動した時に認識されないこともあるけれどUSBを差し直せば認識するんですから。
手触りが良くて、木のキーボードで、他とは違う見た目で、使っているとなんだか心地よい。
ユーザー登録なんて面倒くさいことは、とりあえず置いておいて、お仕事したいですよね。
むしろ、たとえばの話ですが、万が一(!!!!!!)Puszleが大人気のキーボードになってメルカリ・ヤフオクで高価に取引されるようになり、そのタイミングであなたが大切なスマホを壊してしまい急にお金が入り用の際には、なるべく高額に売ってスマホを買い替える足しにしたいな、となるのは当然のことです。
そんな時、ユーザー登録なんてしてたら誰が手放したかが分かってしまうので嫌だな、と思う気持ち、私も良くわかります。お金を出して購入したのは自分なんだから、いつ売ってもいいじゃん、t-miyajimaはストーカーみたい! 気持ち悪い! ……というのは言い過ぎですが笑
まだ販売もしないでこんな事を言ってもナンセンスですが、安心してください。
Puszleは転売禁止ではございません。むしろ、不要になったら売っていただいて全然大丈夫です。
※だからと言って、Puszleの転売を推奨しているわけではございません。もしPuszleが購入価格の倍以上で売られていたら、売っている人のことを嫌いになっちゃうかもです! ぷんぷん!(何)
私が申したいのは『サポートにはユーザー登録をお願いいたします』ということだけです。
つまり、今使っているPuszleというキーボードが故障したけど直してまた使いたい、もしくはレイアウトを変更したくなった、もしくはキー数を増やしたくなった、そういうご要望が発生した場合には、ユーザー登録をしていただき、その後、サポートに移ります、ということです。
物理的な破損対応って何?
Puszleキーボードは、木のケースです。
なるべくなら想像したくないですが、机の上から落として、木のケースが割れてしまうこともあるかもしれません。
木のケースが割れたら、あなたならどうしますか? 涙をちょっと流した後、Xで割れたケースの写真を撮って悲しみをポストしますか? それとも、そろそろ別のキーボードを買おうと思い、割れたケースは薪ストーブに焚べて供養をしますか?
いずれにせよ、あなたが『直して使いたい』と思い、私を頼って下さる限り、私はあなたのPuszleキーボードを修理して、また使えるようにします。
もちろん、コーヒーをこぼしてしまい基板が錆びてキーボードとして認識されなくなった時も、ケースに鼻血がついてシミになってしまった時も、愛犬の歯形がついてしまった時も、物理的な修理をお望みであれば私が全力で対応いたします。
修理やカスタマイズって何?
破損対応と被る点がありますが、
- キーボードとして正常に使えない場合、それを正常に使えるようにすること。
- もしくは、形状が意図せず変わってしまったので、それを元々の材料をなるべく多く用いたまま元通り/元の形になるべく近くすること。
以上がここでの修理です。
カスタマイズは、なんでもござれでございますが、例えば以下のようなご要望です。
- キー数を増やしたい
- キーキャップを変えたい
- キースイッチを変えたい
- ケースの形状を変えたい
- USB-CではなくMicro USBにしたい
- キースイッチをAlpsにしたい(正直、やったことなくて辛いですが笑)
- 持ち手をつけたい(むしろ僕がつけたいです)
もちろん、元々の姿と全然違う姿への変更をご要望されますと、ちょっと費用が嵩んでしまう気はしてます。
ただ、Puszleをキーケットに出品する私の心構えと致しましては、なんでもござれでございます。
キースイッチやキーキャップの交換も承ります ってわざわざ書いてあるのは?
Puszleですが、現在試作品2号機の試作中でのお話なのですが、キースイッチの交換が容易にできない可能性が結構あります。
具体的には、試作品1号機で発生しましたが、キースイッチを交換する際にダイオードが割れることがあります。工夫してキースイッチをソケットから引き抜けば割れませんが、それをお客様に強いるわけにもまいりません。
同じく、キーキャップの引き抜きの際に、キースイッチ後と引き抜けると、試作品1号機ではダイオードが割れる恐れがありました。
つまり、キースイッチやキーキャップの交換がちょっと難しくて恐縮ですが、私の方で承ります、ということです。費用については勉強させていただきます。
2号機では半田付けの向きを変更し、その点を改善したい所存です!!!!!!
なので、キーケットに並ぶPuszleでは問題なくキースイッチ交換が可能かもしれません。
手作り工房なんだから頑張ります!!!!!! もっと頑張れ!!!!!!
購入後の導入時サポートは無償で承ります とは?
主に、キーマップの変更について、e-mailやX等のSNSでのやり取りでご説明いたします、ということです。こちらについては、ユーザー登録は不要です。
Vialというソフトウェアを用いてパソコンの画面上でどのキーを入力できるようにするかを設定できるのですが、案外難しいなという点がございます。
販売の際に口頭でもご説明しますが、お客様が最初の設定の箇所でつまづかれると大変辛いので、必要に応じてご使用されるまでのサポートを無償で実施させていただきます。
その他詳細って?
- ケースが木材なので、もしかしたら使っているうちに自然と割れるかもしれません。比較的乾燥した木材を用いておりますが、こればかりは製造時に判断がつきません。多少のひび割れでしたら使用に問題はありませんが、ご使用される際にご不快に感じることがありましたら、遠慮なくご相談くださいませ。
- 製造時の私のミスにより、使っているうちにキーが効かなくなったりするかもしれません。動作確認もしておりますので基本的には大丈夫ですが、予想しなかったミスが潜んでいる可能性は否定できません。もしキーが効かない・変なキーが押される等の不具合が使っているうちに発生したら、遠慮なくお申し付けください。甘えるようで恐縮ですが、修理が無償対応となった場合でも、往復の送料だけはご負担いただけますと経済的に非常に助かります涙
- 他にもあるかもですが、今は思いつきませんので、キーケット当日までになるべくしっかりとまとめます。
最後に
私は2018年に転職し、2021年に転職先の会社を辞め、現在は電気・情報系の自営業をしております。
そんな移り気な人間にキーボードのライフタイムサポートなんて出来るのでしょうか?
私自身、その点はちょっと不安です。
でも、2022年10月から2024年11月にかけて、お世話になっている方の倉庫の2階をお借りし、2年かけて自作キーボードのための工房を自作することができました。

もっとスピード感を出して賃貸で工房を始めれば良かったかもと思うこともありましたが、時間がかかっても諦めずに工房の自作を完遂できたことは、私の大きな自信であり、最初の実績でもあります。
なので、私はここまで頑張った自分を信じることにします。
まずは2026年3月のキーケットまでに、完成品のPuszleを5台、作ります!!!!!!
この記事は、手作りキーボード工房で初めて自作したPuszle試作品1号機と、2022年に自作したPonshu70の両方を使って作成しました!